包茎とは、陰茎の亀頭部分が包皮に覆われていて露出不可能な状態や露出に問題が伴う状態ことです。
通常、幼少期の男児は包皮が亀頭を覆っている状態ですが、成長とともに包皮が亀頭から剥がれていき、亀頭が露出するようになります。しかし、包茎の場合、包皮と亀頭がくっ付いたまま剥がれずにいたり、包皮の先が狭いなどの理由から亀頭を露出するのが難しく、性行為においても問題が生じる場合があります。
包茎の種類は主に3つあります。
真性包茎とは、包皮と亀頭の癒着や包皮口の狭さなどの原因により、平常時および勃起時に亀頭が包皮で覆われたままであり、亀頭の露出ができないタイプの包茎です。
常に包皮が亀頭を覆っているため、亀頭の洗浄が困難であり、その結果、細菌の繁殖や異臭の発生、炎症のリスクが高まる可能性があります。また、真性包茎は、衛生面の問題から、陰茎がんの発生リスクが高く、女性との性行為では、女性の子宮頸がんの発生リスクを高めてしまいます。
さらに、真性包茎は性行為時の感度にも影響を与えてしまいます。亀頭が常に覆われた状態なので、亀頭への刺激が制限され、十分な感度を得られない可能性があります。真性包茎は、衛生面や、病気の予防、性機能の面から、非常に治療が望ましい状態と言えます。
カントン包茎とは、包皮の先端部分が狭く、亀頭や陰茎に締め付けを与える包茎のことです。無理に包皮を剥こうとすると、締め付けにより、血流が制限されて痛みや腫れが生じ、場合によっては緊急手術となることもあります。
真性包茎同様に衛生面や感染リスク、性行為の感度の低下や制限が発生することがあるので、治療が望ましいです。また性行為に夢中になり、力んだ瞬間に包皮が捲れて戻せなくなると、そのまま緊急手術になることもあるので、そういった面では真性包茎よりも危険な状態と言えるかもしれません。
仮性包茎とは、普段は、亀頭が包皮に包まれていますが、勃起時には自動的に亀頭が露出したり、手で剥けは亀頭が露出する状態の包茎のことを言います。哺乳類の多くは基本的に仮性包茎であり、人類も文化的、宗教的理由から割礼を受けた方以外は仮性包茎であることが殆どです。
包茎手術の方法は2種類しか存在しません。
環状切除とは、包皮ぐるっと切開し、余剰包皮を切除する手術になります。例外なく殆どのクリニックで行われている包茎手術が、環状切除になります。
背面切開は、包茎手術の一種で、皮の開口部分から縦に切り込んで亀頭を露出しやすくし、広げた後に縫合する手術です。この手術は、現在殆ど行われていません。
包茎手術の種類の項目を読んで「亀頭直下は?」と、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。実は、包皮をぐるっと切除する手術は全て、環状切除になります。
亀頭直下も、包皮をぐるっと切除する方法なので環状切除であり、亀頭直下というのは切除する部位のことを言っています。また、亀頭直下法=内板(皮を剥いた時のピンクの部分)を全て切り取る手術ではありません。亀頭の下のどのあたりを切開するかは術者によって微妙に異なります。
同様に、根本切除も包皮をぐるっと切除する方法なので、環状切除であり、亀頭直下同様に切除する部位のことを言っています。
「根本切除なら、傷跡も陰毛に隠れるし、ツートンカラーにもならずに自然な仕上がりになるのでは?」と考える方が多くいらっしゃいます。しかし、現実はそうとも限りません。
余剰包皮が多く、切除範囲が広い場合、包皮を捲ると出てくるピンク色の部分(内板)が陰茎を覆うようになるので、陰茎の真ん中辺りから極端なツートンカラーになってしまいます。
また、陰茎根部と陰茎包皮は厚さが違う為、傷が開きやすく術後リスクが高いです。さらに、包皮部分には殆ど陰毛が生えない為、陰毛がある部分と、無い部分がはっきりと分かれて不自然な見た目になってしまいます。
これらの理由から、根本切除で手術するメリットは殆どなく、亀頭付近での環状切除の方が自然で綺麗な仕上がりになりやすい為、根本切除はおすすめしていません。
当院での包茎手術は、亀頭下約2-5mmのところでの環状切除です。研究を重ね、この方法が最も自然に近いと考えました。
包皮には、普段は亀頭を包んでいる内板と、外側の外板があります。内板はピンク色、外板は褐色をしています。
外板の方に少しだけ余裕を持たせて手術することで、縫合位置が外板によって隠れるようになるので、平常時、勃起時問わず、自然に近い見た目になります。
▶︎ 参考写真①(症例24) ▶︎ 参考写真②(症例25)
参考写真は、当院にて包茎手術を受けた方の症例写真になります。術後のペニスの画像なので開く際にはご注意ください。その他の参考写真は『ブログ』からご覧いただけます。
包茎手術を受けるメリットを紹介します。
包茎の場合、尿や恥垢(ちこう)が溜まりやすく、これが雑菌の繁殖を引き起こし、悪臭の原因となります。手術によって亀頭が露出することで、洗いやすくなり、清潔感が保たれるようになります。
包茎の状態では、亀頭部分が不衛生になりやすい為、病原菌の温床となってしまうことがあります。これにより、包皮炎や亀頭炎、尿道炎などの炎症を引き起こすリスクが高くなります。また、陰茎がんのリスクも高くなり、女性との性行為では、女性の子宮頸がんのリスクを高めてしまう可能性があります。
包茎を解消することで、亀頭付近が清潔に保たれやすくなるので、細菌性の病気を防いだり、陰茎がんや、女性パートナーの子宮頚がんを防いだりする効果が期待できるようになります。
包茎の状態では、亀頭が外部の刺激に慣れていないため、少しの刺激で射精してしまうことがあります。手術によって亀頭が露出することで、外部の刺激に慣れ、早漏が改善される可能性があります。
次にデメリットを紹介します。
手術の方法や技術によっては、傷跡が残ることがあります。近年、包茎手術専門のクリニックでは、傷跡が目立たないような審美的な手術が行われていますが、それでも傷跡が残るリスクは完全には避けられません。
手術後、亀頭が常に外部の刺激にさらされることになります。これにより、感度が変化する可能性があります。一部の人々は、感度が鈍くなったと感じることがある一方で、早漏の人にとっては、感度の変化が早漏改善になることもあります。
包茎手術の費用は、手術の方法やクリニックによって異なりますが、一般的には10万円~20万円程度が目安とされています。特に審美性を重視した手術や、高度な技術を要する手術は、その費用が高くなる傾向があります。
切開ラインを決める要因は、絞扼リング(包皮を脱転させたときに締め付ける狭窄部分)の有無と長さ、性交時に小帯(いわゆる裏筋)が突っ張るかどうか、余剰包皮の長さです。
これらの条件の組み合わせによって、自由にデザインできるか、ツートンの原因となるピンク色の内板を残さないといけないか決まってきます。下記の方は、小帯の突っ張りはなく、小帯を残してほしい方です。この場合は、裏側にかけて、ピンク色の内板が残っています。
▶︎ 参考写真①(症例35) ▶︎ 参考写真②(症例35) ▶︎ 参考写真③(症例35)
参考写真は、当院にて包茎手術を受けた方の症例写真になります。術後のペニスの画像なので開く際にはご注意ください。その他の参考写真は『ブログ』からご覧いただけます。
よくある質問についてお答えします。
可能です。
手術後は医師と直接LINEを交換していただきます。休診日や診察時間外でも対応可能です。
経過によりますが、基本的にシャワーは翌日、入浴は1週間後から可能です。
上半身のみであれば1週間後、全身を使う場合は2週間後から可能です。
仕事にもよりますが翌日から可能です。
手術後、痛みや問題が無ければ2週間後から可能です。
最初に行う局所麻酔が少しチクッと痛む程度で、その後は麻酔が効いているので、基本的には無痛です。痛みを感じる場合には麻酔を追加します。